ミスドがいいね

地震の影響でろくに眠れない日々が続いている。ずっと揺れている気がするし、こうしている次の瞬間にも死ぬんじゃないかと思うと気が気ではなかった。
職場が震源地とそう離れていないところにあり、電車もまったく動いていなかったので、地震の当日は休みになったが、翌日出勤するのが本当に嫌だった。一刻も早く職場から離れたくて、その日は定時になった瞬間光の速さで同期の女の子と退勤した。

私はこの同期の女の子のことがかなり好きで、職場なんかじゃなく普通に学校で出会って、普通に友達になりたかった。休みの日まで職場の人間に会いたくないよな……と思うと、なかなか遊びにも誘えない。「職場の同期」という肩書きが邪魔。
同期の女の子を見ていると、この子は常に人に気を遣いながら生きているのかな〜と思う。なんとなくだけど。あまり自分の意見を言わない子で、そこは私に似ている。私はその子ほど真面目でも優しくもないけど……

少し苦手意識がある直属の上司は、声が大きくて自信に満ち溢れていて、いつだって正しくて、すべてにおいて成功している。自分の中の正しさを否定されている、自分の正しくなさを突きつけられているような気分になるので、正しすぎる人はどうも少し苦手みたいです。もちろん正しくないことは正しくないと認めないといけないけど、自分でもよくわからない。別に人格を否定されているわけではないのに。


ミスドがとても好きなので、社会人になってから週2ペースで通っている。今日は禁煙席が混んでいたので、喫煙席の端っこに座った。喫煙席は一人で来ている人ばかりで、そこにいる人みんながみんなに無関心なのがよかった。端っこで縮こまってスピッツを聴きながらドーナツを食べている時の気持ちは、夜行バスでスピッツを聴いている時のそれと似ている気がした。それはそうと、「夢のドーナツグランプリ」の4種類、全部おいしい。

タイトルは岡野大嗣さんの
スタバよりミスドがいいねぼそぼそと暗くないこと話したいとき
という短歌から。おかわり自由の飲み物やドリンクバーがメニューにあると、しばらくの間だけはそこにいることを許されているようで、長居するつもりがなくてもつい注文してしまう。